天然お嬢と双子の番犬さん



紳士的で優しかった口調から一気に変わった。

竜二は留華から目を逸らし、柱に寄り掛かった。




「花がそれを望んだ。

今回の件は花に非がある、だから怒るなとよ…まっ、俺にも非があるからな」


「それで何も罰を与えなかったって?」


「あ゛?やってんだろ。見たろあの顔、俺があいつ等を殴ったからああなってんだ」


「へぇ、殴っただけで終了?優しくなったもんだねぇ、親父も歳取ったって事かな?」


「…何が言いてぇ?」



お互い睨み合う。竜二は殺気を込めて睨み、留華はそれを鋭い目付きで睨んでいた。





「俺をもう一度お嬢の番犬に戻せ」





驚く竜二は咥えていた葉巻の灰を落とし、慌てて拾い上げた。焼き跡が残れば花に怒られてしまうからである。




「…お前、イーランのボスだろ。何言ってんだ。何のために極秘扱いにしてると思ってんだよ」


「お嬢がさらわれる確率を倍にしない為だね」




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