天然お嬢と双子の番犬さん



「あいつ等を信用しているわけじゃねぇ。俺が花を守れれば本望だ。だが四六時中一緒にいれるわけじゃねぇし、若頭ぐらいじゃねーと花を守り切れるかどうかわからねぇしな」



「その若頭が二人もいて、お嬢を守れなかったみたいだけど?」



「そうだ。だから俺は降ろすつもりだった。
花の世話係をな。だが花はそれを拒んだ。


俺は花に嫌われたくねぇからなぁ、それに従うことにしただけだ。



まあ、次は無いがな。
──てめぇもな、」




最後の呟きは留華には聞こえてなかったようだった。





「そっか、でも安心してよ親父。
お嬢はあの兄弟より俺を選ぶから。


それに俺はあいつ等みたいな”異常”な感情は無いから、ね?」




会心の笑顔を見せた留華は軽やかに言葉を放つ。竜二は何も言わず新しい葉巻に火をつけ吹かした。


笑顔だったはずの留華は、真顔に戻り小さく呟いた。





「誰が何と言おうとお嬢は俺の物だ。あいつ等なんかに渡さねぇよ」





目を細めた先にあるのは花を思う黒い感情が渦巻いていた。







***

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