天然お嬢と双子の番犬さん
その日の夜は騒がしかった。
「不知火さん!おかえりなさい!」
乾杯コールが続いてる。
留華が帰って来たから、やらなきゃないらしく酒を浴びるように飲んでいた。
所謂これは”お帰り会”という名目で執り行われた、吞みたいが為の”呑み会”である。
勿論私はジュースで乾杯だけど。
大広間に褐色の座卓が縦にずらり。
私とパパは上座に座っていた。
私もお酒が呑めたらみんなとワイワイ楽しめたのかな…でもみんな楽しそうならいっか。
オレンジジュースをストローでかきまわした。
「花~!いっぱい食べるんだぞぉ~!」
並ぶのは私の好物ばかりだった。
煮物とスイーツ、他総菜各種。
強面だったり屈強な人だったり色んな人が居るけど、みんな肉ではなく煮物とスイーツをチマチマ食べていて、この光景を見た一般の人は多分引くと思う。それぐらいミスマッチ。