天然お嬢と双子の番犬さん
「俺が連れて行くから、お前等兄弟は親父と呑み比べしなよ」
「…不知火がやればいいだけだろ?」
「出来ればよかったけど。俺酒呑めないんだよね」
「ハハ、堂々と嘘付くなよ。豪酒でしょ?」
…凄いバチバチしてる。
なんで喧嘩する流れになってるの!
「早く行かないと染みになるから!
和!湊!早く!」
抱えられてる状態で、和と湊が近くに居たから二人を急かした。それだけだったけど、二人は嬉しそうにしていて、その反対に留華は不機嫌になっていた。
「ッ、お嬢。俺が一緒に…」
「そうだね。早く行こっか?」
「こんなとこで時間食ってる場合じゃねぇよな?」
そうだよ!この浴衣ゼロが三個くらい多い本染め浴衣なんだから!パパがお土産で買ってきてくれた高級な浴衣なんだぞ!
「留華!すぐ戻ってくるから待っててね~!」
「っ…!お嬢!」
パタン。
襖が閉じた。