天然お嬢と双子の番犬さん
襖を閉じるだけで、うるさくなくなるんだなぁと思った。それぐらい廊下は静かで涼しかった。
──蛇口から水が勢いよく出ている。
「和?私自分でできるよ?」
白い布を水で濡らし叩きながら拭いてくれる和。私は洗面台のヘリに座らせられていて、物凄く行儀が悪いです。足もパタパタしちゃってる。
湊がこんな所に座らせるから。
確かに広くて私が座っても問題ない。
でも別に座れる所がないわけじゃなくて、備え付けのスツールが置いてあるし、そこに下ろせば後は一人で出来るのに。
「先に戻ってていいよ?」
「「却下」」
何故‼‼
素早く染み取りをしたお陰で元通りに戻った。