天然お嬢と双子の番犬さん
話しかけるなオーラの湊。
流石若頭…尋常ではないオーラを纏っている。しかし動じない和、それから構わず寝ている花。
和が花を愛おしそうに見つめてる。
「…あんな物にサインするんじゃなかった」
湊が花を包むように抱きかかえ立ち上がった。袖を握られていた和も同じく立ち上がる。
部屋に戻る道中、柱に寄り掛かる男…留華がいた。煙草を咥えており、持っている銀色の携帯灰皿には既に二本押し付けられていた。
三本目も押し付け懐にそれを仕舞うと腕を組む。
「随分遅かったな」
「お嬢が中々離してくれなかったんだよね」
留華は眉間にしわを寄せる。
握らせたものではなく、花が自分で握っているのが分かったからだ。
「…離れろ」
「お嬢が離さねぇんだよ」
これ見よがしに言う二人に留華は不機嫌になっているようだった。しかしある気配でそれも無くなる。