天然お嬢と双子の番犬さん
ほうれん草のおひたしを咀嚼しつつ、パパに向かってにっこり。
”勿論聞いてたよ?”そんな意味合いで。
「あああ‼花ぁ‼悲しいよなぁ⁉パパと居れなくて寂しいよなぁあ⁉パパも悲しいいいい‼寂しいよぉお‼うわああああ‼‼」
全然伝わってなかったし、そんな意味で笑ったわけじゃなかったけどなぁ。
ゴホン、と咳をしたパパが私にきんぴらごぼうの入った小鉢をくれた。
やった!
物足りなかったから嬉しい!
手を伸ばす。小鉢を貰う前にパパが口を開いた。
「花、男は獲物を狙う狼だ。
何かを手に入れる為なら何でもする…決して隙を見せるなよ。
一瞬で喰われるぞ」
…おおかみ。
「パパもそうなの?」
「パパは可愛いネコ科です!」
リンと同じって事?
「和、湊。お前等二人は交代で花を守れ」
「「了解」」
「俺がお嬢を守るよ?」
「お前はイーランのボスとして出なきゃ駄目だろうが」
パパがそう言うと、隣の留華から舌打ちが聞こえた。