天然お嬢と双子の番犬さん
当たらないように避けたつもりだったけど。距離感間違えたかな?
「あっと…すみません!」
頭を軽く下げた。
「チッ、」
あれれ、舌打ちされちゃった。
朝だからイライラしてたのかな?
和も朝は弱いからイライラしがちだしね。
仕方ないよね!
…そう思っていたのは私だけだったらしい。
湊がおじさんの肩に手を乗せ、無理矢理私の前に引き戻した。
唖然とするおじさんを前に、和が殺気を出す。
「お前がぶつかってきたのに、なんでお嬢が謝るんだ?」
「ヒッ‼」
おじさん怖くて涙目。
追い討ちをかけるのは湊。
「お嬢に謝れや、死にてぇか?」
ちょ…、
二人の腕を引っ張る。
私じゃ動じませんが。
別におじさんの味方っていう訳じゃないんだけど。
それよりもだよ?
それよりも、重要な事が!
「私の名前は花だってば‼」
「「そこかよ」」
すっごく重要なことだけど!?