天然お嬢と双子の番犬さん
「…あ゛?」
瞬時に下を向いた湊。
なにやら黒いオーラ。
「お嬢が言ったのか?」
えっと…?
記憶ボックス散策中。
───”お兄ちゃん、みたいな感じかな”
言ってたみたい。
確かにずっと昔から一緒だったし、優しいし一緒にいて安心出来る。
一回縦に首を振ると、湊は大きな舌打ちをした。
「へぇ、そうなんや」
そう言ったのは春比古くん。
ニヤリと笑っていた。
「兄ちゃんか。せやったら…邪魔するんはお門違いなんちゃいますか」
「…喧嘩売ってんのか」
ピキピキ。
「湊、また怖い顔してるよ!抑えて!」
「…るせぇ」
「みなと!」
「……チッ」
そっぽを向いた。
苛立っているのは目視で分かる。