天然お嬢と双子の番犬さん
そろそろ部屋に戻らないと。
湊が本気で怒ったら大変だから。
「じゃあまた──…」
湊の背中をぐいぐい押しながら、部屋に向かう。
「”わんちゃん”の相手は大変だね」
小さく言った丞くんが笑った。
わんちゃん??
昔飼った事はあったけど、今はリンしか飼ってないよ?
その内、遠くから二人の名前を呼ぶ声がした。どうやら集会に二人が呼ばれたらしい。
春比古くんと丞くんがほぼ同時に溜息を吐いて。
「また後で、花。必ず会いに来るから。待ってるんだ。いいね」
「ほな、また。すぐ戻ってくる。首を長して待っとき」
そう言って二人は声のした方へ向かった。
…何か用事あったっけ??