天然お嬢と双子の番犬さん
「み、みなとっ!?」
真っ暗。
何も見えない。
足は動く。
だけど、自由じゃない。
「ね、ねぇ…何処にいるの?」
せめて目が見えれば状況が分かったのかもしれない。だけど…、背中の方で縛られた手でどうやって取ればいいの?
恐る恐るで一歩踏み出す。
「み…湊?どこ?」
部屋の中に…いるんだよね?
気配は全く無い。
何処にいるかなんて分からない。
「イタッ…!」
ガンッと大きく当たったのはリンの爪とぎだった。
大きく転んだが、軽く済んだのは畳だからだと思う。
痛みを堪えつつ、自力で体を起こした。地べたに座り、キョロキョロする。
「み、みなと…!」
「───口だけか?」
湊の声がした。