天然お嬢と双子の番犬さん
声がしたと思った方向に顔を向けた。
「”部屋に真っ直ぐ戻れ”
…和がそう言ったよな?」
背後から聞こえたような気がした。
振り返ってそんな気がした方を向く。
「っ、ごめんなさい」
「そんな事も守れねぇのか?」
違う。左側から気配がする。
慌てて左を向いた。
「リンを…探してて、」
「…で?それとあの倅共とどういう関係がある?」
「途中で会って…」
「仲良く、一緒だったってか?」
ピリッ…、
───殺気だ。
右の方から感じる。
気配はない、だけど殺気の位置は右側。
膝が痛む。転んだから擦りむいたのかもしれない。
それでもゆっくり体を向けた。