天然お嬢と双子の番犬さん
湊は大きく溜息を吐いた。
吃驚するぐらいの大きい物だった。
「───飾りもんか、その口は」
呆れたような声がしてから──、
殺気も声も無くなった。
「み…みなと…?」
物音もない。
「っ、湊。私また言う事聞けなくてごめんなさい…」
怖くなった。
置いて行かれたんじゃないかって。
「もう…もうしないから、」
お願いだから返事して。暗くて静かで…独りぼっちになったみたいで、怖いよ。
「っっ…何でもするから、」
置いて行かないで。
遠くに行かないで…。