天然お嬢と双子の番犬さん



結局おじさんは最後の方は歩道のど真ん中で土下座し、へこへこしながら足早にいなくなった。



「もー!私は別に気にしてなかったのに!」

「おじょ…花がそうでも僕は許せなかったかなー」

「わざとぶつかって来ただろ。あのジジィ」



言葉遣い悪いぞ湊!

朝は皆イライラするからね。
仕方ないの!



「わっ!」



和に引っ張られ、湊には和の方に押された。

嫌がらせかと思いながら顔を上げると、さっきまで居た位置を通るマウンテンバイク。



私が危なかったから…。



真ん中で二人の手を握った。
吃驚して、私の方を向く。



「和!湊!ありがと!そういう所もす…」

「「黙ってろ」」



えっ…、


顔を逸らす二人の真ん中、高い位置で聞こえた低い声。


……ガチじゃん。
凄く不機嫌じゃん。

な、なんかまずい事したっけ…?
それとも怒らせるような事した!?

えええ!?どこで!?
何処がまずかった!?



顔を赤く染めた二人と学校まで手を繋いで歩いた。



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