天然お嬢と双子の番犬さん


***





部屋の中心でか細い声がする。
横座りをする可愛いお嬢様の声。


その正面で、一人足を組み頬杖をついた男。湊の姿があった。


ベットの上でジッと見下ろす。



見えないはずにも拘らず、キョロキョロと辺りを見渡す愛らしい花。

湊は思わず目を細めた。



”身動きが取れない花が心細そうに自分の名前を呼んでいる。”



その状況に笑みが零れてしまったようだ。




「───お嬢、」




ビクリと肩を揺らした花。
少しだけホッとしたように名前を呼んだ。



「湊…、」

「ここだ」



明るくなる花の顔。
立てないのか、立ち膝で進みだす。



「み、なと…?」



ベットの前。
湊の丁度真下。



触れる手にビクリとした花。
湊はそれにフッと笑って、




「当たり」




そう言った。






***


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