天然お嬢と双子の番犬さん




頬を包むのは湊の手。
良かったと、一人安堵した。



「湊…ごめんなさい」

「ああ、そうだな。餓鬼でも出来る事すら守れねぇもんな?」



グサッ!

大きく突き刺さった言葉。
その通りだから何も言えないけど。



「気を付け───…」



おでこに何か触れた。



「ッ、な、なに!?」



湊の手、じゃない。
指とは別の感触に驚いた。



「み、みなと!今何か…!」



ビクリ、

今度は頬だった。
左の頬に触れた。


慌ただしく顔を向ける。



「そこにはなにもねぇよ」

「ッ、」



耳元で湊が囁いた。


ち、近い。


声が凄く近かったから、きっと直ぐ真横にいる。



「湊…これ外して?」



目隠しと手を縛っている物。せめて手が自由になれば、後は自分で取れる。



───だけど、



フッと笑う声がした。
耳のすぐ近くでした。




「何でもするんだろ?」




湊はいたずらに言った。


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