天然お嬢と双子の番犬さん
柔らかいような、硬いような、そんな感じがしたのは湊の上に乗っているからだった。
今私が手を乗せているのは…多分湊のお腹。
「───あいつ等に何処触られた?」
あいつ等…、
春比古くんと丞くんの事?
「手…とか」
「そこだけじゃねぇだろ」
他は…えっと。
何処、だったかな。
無意識だったから。
あまり覚えて──…。
ハァ、大きな溜息がした。
その音に私は大きく跳ねる。
「右京組のせがれに何されてた」
春比古くんに───…、
フラッシュバック。”久々に会えたんや。もう少し一緒に居てくれてもええやろ?”
そう聞こえたのは、彼の胸の中だった。
「抱き…締められた」
春比古くんだけじゃない、丞くんにも。