天然お嬢と双子の番犬さん
弟の嫉妬
───チッ、
溜息から大きな舌打ちに変わった。
ビクッ…!
「後は」
低い声だ。
見えてないけど分かる。
凄く怒ってる。
「……無いよ」
多分無い…たぶん。
聞かれると怖くなる。
自信がないから。
「…キス、されてねぇだろうな」
キッ───、
”今日からよろしく、花”
甘い、小さな、リップ音。
”俺も花がよう見えて嬉しいわ”
右手にチュッと高い音。
「っ、あ…」
…された。二人に。
「───あ゛?」
大きな舌打ちされて、乱暴に浮いた身体。
押し付けられたのは多分ベッドだ。
「何処にされた」
抑えられる両手首は頭の上の枕に。掴まれている手首が痛い。