天然お嬢と双子の番犬さん



…あれ、動け、



「んぐッ!?」



───突然。
口の中に入ったのは湊の指で。


私の舌の上──、




「血が出んだろ?」

「んー…んんー!」




カリッ…、
爪が立っている。



み、みなと…爪が当たってて…。



口が閉じれない。



自由になった手で先に触れたのは目隠しじゃなく、口の中に入れられた腕だった。両手で抑えようとするが、ビクともしない。



フッと小さな笑い声がして、耳元で囁いた湊。




「閉じれば舌切れんぞ」




ビクッ、

…切れる?





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