天然お嬢と双子の番犬さん
自分の席は窓際の後ろから二番目。スクールバッグの中身を出しながら鞠とおしゃべり。
「今日、転校生来るみたいよ!二人!」
和と湊かな?
「しかも超絶イケメンって噂」
和と湊の事だね!
二人共かっこいいからね!
皆にも分かってくれるのは嬉しい!
自分の事のように嬉しくて、ニヤニヤ。
「まあ、でも花に惚れるのは間違いないわね」
「惚れる?」
あの二人が?
惚れ…?んー?
「無いと思う」
だって、惚れられるような要素ゼロだから。私。
それに…私にとって五十嵐組の皆は家族みたいな感じだし。それが崩れるのはちょっと怖いかなぁ。
鞠が大きな溜息をついた。
「あのねぇ…花は無自覚過ぎなの!化粧してないのにその顔面はズルい!」
「ん?化粧水はバチャバチャ付けてる!」
「そう言う事じゃないのよ。おばか」
あいた…。
軽くチョップを受けた。