天然お嬢と双子の番犬さん
驚く和と、目を見開く湊。
その手は───、
写真の中の二人が浮かんだ。
綺麗な女の人といる二人の姿。
「お嬢…?」
…ッ、
また泣いてしまいそう。
首を左右に振った。
床板の視界から二人の方へ。
「私…二人の事解放してあげようと、思ってるの、」
今できる精一杯の笑顔だった。
少しは…悲しい顔していると思うけど。
でもきっと大丈夫。
二人の顔を故意に見なかった。
…だって怖いと思ったから。
もしこの言葉で、喜んでる二人の事を見たら…辛くなってしまうから。
「「…は」」
和と湊の気の抜けた声が漏れた。
「待って…どういう事?僕達を、」
「解放するだと?」
和に続けて湊が言った。