天然お嬢と双子の番犬さん
良かった。
これで離してもらえるよね。
痕が付いてるから、私も冷やさないと…。
「───痛ッ‼」
激痛だった。
離されるはずだった。
そう思ってた。
だけど、留華がした事はその逆で。
さっきよりも強く握って来たんだ。
「いた…痛い‼留華───ッッ!」
「我慢」
押し倒される形で畳の上に倒れた。
上に乗る留華に口を塞がれる。
「───はい、いいよ」
離してもらえたのは、それから一分ぐらいしてから。
たった一分。だけどその間私はずっと口を塞がれていて、ずっと痛みに耐えていた。
「あー…、そんなに痛かった?ごめんね。でも初めに言ったはずだ。俺以外の痕が付くのは気に食わない…って」
痕が付いている──、二つも。
重なるそれは少しズレていた。
「嗚呼でも…冷やさないといけないね」
…ズキン、
離れたはずなのにまだ痛い。