天然お嬢と双子の番犬さん
「なん、で?」
頭を撫でるのを辞め、目をぱちくりさせていた。
”理解出来ない”
そんな顔してる。
「さっき見た時、腫れてたから。
痛そうだなって思って…」
「違う、そう言う事じゃない。
…どうして俺にそんな事、」
と、言った後で口を紡ぐ。
悩んでいる様子の留華が次に口を開いたのは、私の頬に手を添えてからだった。
「お嬢はそんな性格だったね」
「…私の性格?」
撫でられる手が暖かい。
「普通なら…俺の事を嫌って、怖がって、拒絶してもいいんだ。それぐらいの事してるだろう?」
そうなのかな。
でも───、
「私は…留華の事、嫌いになった事無いよ」
怖いと…思ってしまっているけれど。
それでも嫌いにはならない。
そう思ってる。
それは勿論───、
「それは東雲兄弟もそう思っているって事だな?」