天然お嬢と双子の番犬さん



「なん、で?」


頭を撫でるのを辞め、目をぱちくりさせていた。

”理解出来ない”
そんな顔してる。



「さっき見た時、腫れてたから。
痛そうだなって思って…」

「違う、そう言う事じゃない。
…どうして俺にそんな事、」



と、言った後で口を紡ぐ。

悩んでいる様子の留華が次に口を開いたのは、私の頬に手を添えてからだった。



「お嬢はそんな性格だったね」


「…私の性格?」



撫でられる手が暖かい。



「普通なら…俺の事を嫌って、怖がって、拒絶してもいいんだ。それぐらいの事してるだろう?」



そうなのかな。
でも───、



「私は…留華の事、嫌いになった事無いよ」



怖いと…思ってしまっているけれど。
それでも嫌いにはならない。

そう思ってる。



それは勿論───、





「それは東雲兄弟もそう思っているって事だな?」



< 392 / 534 >

この作品をシェア

pagetop