天然お嬢と双子の番犬さん
兄の嫉妬
クッションの上に尻もちをつく。
いつもそんな所に置かないのに、何故かそこにあったおかげで、痛い思いをしないで済んだ。
でもそれは、
「やっと捕まえた」
「や…まと、」
和がそこに置いて、私をそこに押したからだ。
背中には壁、前には和。
身動きが取れない。
「いつの間に、不知火さんとあんなに仲良くなったのかな?」
笑ってる…ように見えるだけで、本当は笑ってない。
ずっと傍にいたからなのか、それともそういう人達に沢山会って来たからなのか分からない。
だけど、偽物の笑顔だって私はよく知ってる。
目を逸らし、口を閉じる。
───バンッ‼‼
大きな音が右耳からした。
和の手が後ろの壁を思いっきり叩いたんだ。