天然お嬢と双子の番犬さん



…話せないの。
声を出したらバレるから。

見せないのは…和の声も私の声も全部バレるの。
今の言葉も全部、留華には分かってる。




キラリと反射したのは、胸元の小さなネックレス。
さっき留華に付けられた”特殊なお土産”だった。



長方形型のシルバーネックレス。
シンプルで男性物のだと教えられた。

ただ、特殊な加工をしたものだと言われたのは付けられた後だった。



「録音されているんだ。この部分にね」



笑顔で言う留華と動きが止まった私。



本当は盗聴器が良かったんだけど、なんて残念そうに。録音された物は30分毎に留華の携帯に転送される、なんて笑って。



「お嬢の事信じてるけど…念の為だよ」




───留華は、
こうなるの分かってたの?




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