天然お嬢と双子の番犬さん
「そうやって不知火さんが来るまで黙り続けるつもり?僕の事を一度も見ないで、そのままの状態でいるつもり?」
…30分。
何処から数えてなのか全く知らない。
でもそれを聞けば留華は戻ってくる。
”自由なんて必要ないよな”
唇を噛み、強く目を瞑った。
「分かったよ。お嬢」
頬に会った手が無くなった。
…っ、和。
薄く、目を開けた。
きっと…私のせいでまた悲しい顔をして───、
「っっ、!?」
私が見た時、和はネクタイを外している途中だった。
そして視界が消えた。
真っ暗で何も見えない。
っ、これって。
「見ないって言うなら見えなくしてあげる。これでいい?」
和のネクタイだ。
「あー、それとこっちも必要だよね?」
組んでいた両手首に何かが巻かれた。
「シルク製のハンカチだから痛くないよね?ならもっと強く縛るね?」
「ッ───、‼」