天然お嬢と双子の番犬さん
更に縛られた。
っ…い、いた…。
湿布の貼ってある方の手首が擦れて痛い…。
顎を持ち上げられた。
唇に親指が触れる。
「ごめんね。口を塞ぐものは無いんだ。
ネクタイは一本。
ハンカチは一つ。
後は何も持ってないんだよね。
───だから自分でどうにかしてね?」
どういう意味…?
「っっ!!?」
浴衣の襟がずり落ちた。
いや、落とされたんだ。
両肩から落ち、ヒヤリとした空気が二の腕に感じる。
右肩にチクチクした感覚がした。
和の髪の毛が当たったんだと思う。
和───…?
「…ッ!」
チュ、なんて音がした。
多分キスされた。
見えないからあまりわからな…、
────ガリッ、
「ひッ…‼」
一瞬舐められたような感じがした後だった。ドキドキとしていた鼓動が、ドクンと大きな鼓動に変わった。
「あー、駄目だよお嬢」
今…噛まれ…、
「口聞くなって言われてるんだろ?」
耳元でした声が響いた。