天然お嬢と双子の番犬さん
───どうしたら、いいの。
吐息が漏れて、声が溢れた。
肩も二の腕も首筋も…全部がジンジンする。
っ…涎、出て。
「ン、ぅ…!!」
唇を何度も噛み締めた。でもそのタイミングで和が肌を舐めてキスをしてくるから、我慢しようとする度に落ちていくんだ。
そして、
「ふ、う…あっ…!!」
息を吐くタイミングで噛まれる。
顎をあげられた。見えない、だけど多分この向きに和がいる。
「お嬢、声出してるよ?駄目なんだろ?僕と話しするの。不知火さんに言われたんだよね?」
辞めてって一言。たったその一言を言えば、和なら辞めてくれるのかな。
───…違う。
本当に嫌だと思ってるなら、暴れるぐらい拒絶すればいいのに。留華の名前呼んで、助けてもらえばいいだけの事。
それなのに、
どうして私は何もしないんだろう。