天然お嬢と双子の番犬さん
「あーあ…、涎まで出しちゃって。はしたないよ、お嬢」
なぞる和の指がぬるりと動く。
涎が私の唇を潤した。
「不知火さんとキスするまで仲良くなっていたんだね。僕の知らないところで、」
キス…。
こんな時に何を思ってるのかな。
綺麗な女の人と、二人がキスしてる所なんて…、今思う事じゃない。
「不知火さんってキス上手いの?」
…分かんないよ。
「でもきっと僕の方が数百倍上手いよ。
───試してみようか?」
っ…、それは。
色んな人と沢山して来たから──?
柔らかい感触がした。
息苦しさでようやく理解する。
私は今…和と唇を重ねているのだと。