天然お嬢と双子の番犬さん
胸焼けみたいにモヤモヤしてた。
だけど、気分が悪くなるような物じゃなくて。
「嫌いに…なってない。
気持ち悪いだなんて思ってない、」
そんな事思ってない。
全然思わなかった。
…可笑しいんだ。きっと。
私は産まれた時から、普通とは違っていたから。
だから…可笑しいのかな。
「……っ、羨ましかっ、た…」
こんな事を思うなんて。
和の胸に顔を埋めながら呟いた。
静かな部屋で私の声だけがした。
「お、嬢…?」
包まれていた身体が軽くなって離れた。
引っかかったかのように取れた目隠しが滑り落ちた。一瞬眩しく感じた光の後で和の顔が目に映る。
心の中に留めておけば良かったのかな。
…だって和が吃驚してる。
でもなんだか止まらなくて。
「和と湊と一緒にいる女の人が羨ましかったの…!」
吐き出してしまった。
見たくないって思った、気持ちを。