天然お嬢と双子の番犬さん
たった三年で百近くあるマフィアの中で、日本人如きがどうやって頂点になれるのか。それは誰もが考えた事だった。
けれど、それは簡単な事だった。
”自分の口、行動で全て証明してもらればいい”だけの事なのだから───。
もしその行動を全てを把握されていたとしたなら。逃げ道すら先回りされていたのなら。
どれだけ最強の地位にいるマフィアでも、敵うはずなどあるわけがない。
「チャイナ連中がよくこれを付けていた。調べてみりゃ、向こうではこれを付けるのが流行りなんだってな?」
「…嗚呼、そうだね。ある日急に流行ったようだよ」
「テメェが裏で回したな?」
留華はハハっと乾いた笑いをした後で不敵に笑った。
「俺はただ────、
格差を見せる為の物があった方が分かりやすく、無駄な行動をしなくて済む…そう言っただけだ」