天然お嬢と双子の番犬さん
────ランク付け。
それは裏では最も重要視している事に近い。
その順位で態度が180度も変わるのだから。
留華の言った「格差」とは順位の事、「無駄な事」とは争いの事。
トップであるのはあくまでも、皆口々に名指しするからに近い物。それがもし、具現化するのなら───…。
「俺は助言し、提案しただけだ。別に手を回したわけじゃない…ただ、そのお陰で簡単に今の地位に就いたよ」
本人の口から出た情報ほど、使える物があるのだろうか。
「────でも、」
留華は竜二の持つ壊れたそれを指差した。
「それのお陰で東雲兄弟がお嬢に何をしているか知れただろう?」
竜二は舌打ちをし、留華から視線を逸らした。
ただ今の問いには小さく「ああ」と返した。