天然お嬢と双子の番犬さん
今日の夜は光も見えない暗い空だった。
曇天。そんな中でも私は縁側に座り、誰かを待っている。
「こないな時間に何してん?」
突然の声。突然の気配。
身体がビクリと跳ね上げた。
慌てて振り返る。
「は、るひこく…ん!?」
微笑む春比古くんがいた。
び…びっくりした…!
吃驚し過ぎて心臓がバクバクしてる。
「驚かせるつもりはなかってんけど…かんにんな」
「ううん!大丈夫!」
まだ心臓はバクバクしてるけど…!
春比古くんはハハッと笑った後で私の隣に腰を下ろす。
あっ…。
「ん?」
ハッとした。
直ぐに左右に首を振り笑顔を作る。
一瞬「だめ」だって言おうとしてた。
待っていた二人の為に───。
……来るはずないのに。