天然お嬢と双子の番犬さん
「…お、嬢?」
湊の吃驚したような声が聞こえてきた。
吃驚してるのはきっと和も一緒。
躊躇する二人の手は、恐る恐るで背中に回った。
「置いて、行ってごめん…お嬢」
そう言った和に、左右に首を振った。
「違う…よ、」
「違くねぇ。元はと言えば俺等が…、」
違う、違うの。
私…最低だった。
「っ、二人の事……熊だと勘違いしたの…!」
「…ん?」
「…は?」
叫んだ私と二人の気の抜けた声。
「小熊が出たからぁ…親熊も来ると思って…!
全然違うのに!
和と湊は熊じゃないのに!
ごめんね…。本当にごめんなさい…!」
「……あのな、お嬢」
「熊と二人を間違えるなんて…最低だよね?でも、我儘だけど…怒らないで…もう間違えないから…!」
「……お嬢、怒ってないから落ち着いて?それと間違えてても最低じゃないから。紛らわしい僕達が悪いから」
「っ!!二人は何も悪くない!紛らわしくない!熊じゃないよ!」
「…うん。ありがとう。でも一旦熊から抜けようか?」