天然お嬢と双子の番犬さん
離れた後で、二人の顔を見る。
こんな風に助けてもらうのはやっぱり二人で。
「へへ…大好き」
顔全体が緩くなり、声が出た。
思うより先に口が開いてた。
「「…っ、」」
「わ…!?」
目を丸めた二人に抱きしめられた。
「…ごめん、ごめんねお嬢…」
「…離れてくな…俺等から…頼む…」
潰れそうな声は静かな山のお陰で鮮明に聞こえた。
震えてる二人に手を回す。
ずっと悩んでいたのかな。
でも、もう大丈夫。
悩み事も、心配事も、何もかも無くなった。
「ずっと、傍にいてね。和、湊」
やっぱり二人が大好きって事も。
信頼してるって事も。
────この胸の痛みの原因も全部分かった。