天然お嬢と双子の番犬さん
「────楽しそうだね」
背後からの声に鞠と同時に振り返った。
「和!湊!」
和の手には紙皿と割り箸。
湊は紙コップを持っていた。
さっき焼いてたのを持ってきてくれたんだ。
鞠は立ち上がると、「ダーリンの所に行って来るわ」とウインクした。
行きがけに二人に向かって、
「あんた達も大変ね」
と言った。
…大変???
もしかして鞠に正体ばれたんじゃ!?
「…また変な事でも考えてんのか?」
「変じゃない!重要な事!」
「あはは…大丈夫。お嬢が考えてるものと違うから」
私を間に挟み座った二人。
気まずかったはずの空気は無くなって、いつもと変わらない心地のいい空気だ。
山と川の新鮮な空気を吸っているからそう感じるのかも!なんて考えながら。
二人の手を握った。
昨日からずっと待っていた。こうやって座る事、こうやって一緒にいる事を。
「………ガッカリ、してない?」
そう言ったのは和の方。
「ガッカリって?」
「……女といる写真…見たんだろ」
湊がそう言うと、二人は私の手を強く握り返した。