天然お嬢と双子の番犬さん
「かわッ───…!」
「ッ────!?」
……え!!?
二人は同時に自分の頬をぶん殴った。
それはもう、強烈に。全力で。
「大丈夫!?どうしたの!?」
天を仰ぐ二人は小声で、
「………大丈夫だ…」
「………虫が…飛んでただけだよ…」
と言った。
ふぅっと一息ついた後で私の方を向く。
「いいよ。僕達の事独り占めして?」
「……その顔でカッコつけんな」
「わぁ…二人共凄い顔腫れてるよ?」
爽やかな笑みとキュンとするはずの台詞は、赤く腫れた顔のせいで台無しで終わった。