天然お嬢と双子の番犬さん
────あっ、
「そういえば、山に入った時に熊いなかった?」
「「熊…?」」
そんな目で見ないでも。
…私の話、信じて無いな?
冷たいオレンジジュースを飲みながら、鞠達が焼いてくれたお肉をパクリ。
うーん!外で食べるのって凄く楽しくて、美味しい~~!
「確かに熊注意の看板は見たけど…流石に出ないと思うよ?」
む。これは確実に嘘だと思ってるやつ!
「二人を待ってる間に小熊がいたの!」
「……そーかよ」
「嘘じゃないってば!!
だから親熊がいると思ったんだけど。
代わりに出てきたのが和と湊だったから…あ!
違うよ!?別に二人の事を熊だと思ってるんじゃなくて!どっちかっていうとわんちゃんだよね!?背丈も力も熊っぽいけど!」
「…お嬢、一言余計かも」
溜息付く湊は缶コーヒーを一口。
「とにかく俺等はそんなもん見てねぇよ」
「そうなの?てっきり二人がやっつけたと思ったなぁ…」
「…俺等をなんだと思ってんだ?」
何って…。
「カッコよくて、強くて、優しくて…私の大好きな番犬さん!」
そんなの考えなくても出て来る。
「ん゛ん゛…!」
「…バッ……!」
また天を仰いだ二人の間で、私は美味しいお肉を堪能した。