天然お嬢と双子の番犬さん




「はなああああぁ…!!」

「…気が散る。消えてください。この世から」

「ウベシッ‼‼」



泣き叫ぶパパの脳天に拳が落ちた。
頭を抱え悶絶するパパを完全無視の酒井先生は、私の足を診察していた。


「痛っ…!」

「んなッ!?花が痛がって!」

「黙りなさい脳筋猿」

「誰が筋肉しか取り柄がない糞猿だぁ!?」


ギャアギャアと叫ぶパパに今度は鳩尾一発。
「グエッ!?」なんて叫びうずくまり悶絶開始。




「────打撲ですね。骨に異常はないようです」




ホッとした酒井先生と一緒に、パパと私も安堵した。

鞄から包帯やらを出す酒井先生が微笑む。



「直ぐに対処したお陰です。悪化せずに済んだのでしょう。その後で川に入って冷やすと言うのもはなまるです」



頭を撫でてニコッと笑う酒井先生に釣られ私も笑みを浮かべた。



「酒井先生が教えてくれたお陰です!」

「フフ…それを実践すると言うのが素晴らしいのですよ」


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