天然お嬢と双子の番犬さん
────朝早くだった。
満足に眠れないまま、連休最終日。
ずっとドキドキ状態で呼び出したのは和と湊。
「…お嬢、怒ってる?」
ちょっとだけ吃驚している二人は、私の顔色を伺っているみたいだった。
鏡を見なくても分かる自分の顔は、ムスッとしていて。
誰が見ても私が怒っているように見えるだろう。
実際はそんな風に思ってはいなかったけれど…。
どう話しを切り出そうか考え中だっただけ。
…その間が二人には耐えられなかったかも。
「……怪我、させて悪かった…」
シンっとした中、小さな湊の声が響いた。
視線の先には私の足首。
「え?なんで謝るの?」
思わず本音がポロリ。
それに二人は目を見開いた。
そんなに吃驚する事かな?
「だって、私が勝手に落ちて怪我しただけだよ?
あっ!そういえばね?
酒井先生に対処が良かったって褒められたの!
滅多に褒めてくれない、酒井先生だよ?凄く嬉しかった!
そう考えると偶には怪我しちゃうのも悪くないよね!」
と、言って笑った。