天然お嬢と双子の番犬さん
………ッ、変だよ鞠。
手を握ったら分かるって、ドキドキするから分かるって、言ってたよね?
でもね、変なの。
だって、
握る前からドキドキしてたよ?
……違うよ。やっぱり違うよ。
私にとって和と湊はお兄ちゃんだって思ってて、
「「────お嬢?」」
ストンと、何かがはまった気がした。
頬が徐々に赤く染まるまで時間は掛からなかったみたい。
「お嬢、どうした。熱でもあるのか?」
「お嬢、もしかして具合悪かった?先生、呼ぶ?」
自分でも、顔が赤くなってるのが分かった。
身体が熱くて本当に具合が悪くなったみたい。
私は左右に首を振った。
だってこれは病気でも胸焼けでも、何でもない。
…そっか。
私…和と湊に、
恋、してるんだ────。