天然お嬢と双子の番犬さん
意識と変化
「───…和!大丈夫だから降ろして!」
「駄目だよ。足に響いちゃうよ?」
「じっとしてろ」
そうだけど!
視線が刺さる。
それも頬を赤らめる生徒と先生達から。
連休明けの平日。
今日ぐらい休みでいいのに、なんていう金曜日。
通常通りの学校生活が始まった。
勿論たった一日で治るわけもなく…。
「きゃああ…!見て!東雲くん達!」
「美男美女だとこんなにも絵になるんだ…」
学校近くのコンビニまで送ってもらった後、そこから学校までも抱えられ、そして校舎内でも抱えられ、教室までの長い道のりを歩いていた。
その隣には湊の姿。
私のバッグを持ってくれている。
「もうっ!いい加減に、」
耐えられなくなって声を荒げると、二人は同時に「ん?」と言った。
どうしてかな。
二人が……、
いつも以上にキラキラして見えるのは。
っっ───…、
「和と湊の…いじわるぅ……」
真っ赤になった顔を隠すように両手で覆って俯いた。
「……っ、そういうの、良くないよ……」
「ば……か…な事、言うんじゃねぇ……」
そんな事を言った私に、二人は小さく呟いていた。