天然お嬢と双子の番犬さん
教室までの間、私はずっと二人に抗議していたけど。結局降ろしてくれる事は無かった。





「まりぃい───…!」



「早く花を離しなさいよ!!」





教室に入ってすぐ、鞠に向かって手を広げた。

半べそ状態の私を見た鞠は二人に向かい威嚇攻撃。




苦笑いの和と溜息を吐く湊。



鞠に腹パンを受けながらも、和は私を席に座らせてくれた。




ちょっとだけ不機嫌。

だって私の意見を無視したから。




だけど…ここまで連れて来てくれたから。






「……アリガト…やまと、みなと」






まだ立っていた二人の方に、目線だけを向けて言った。



何故か動きがギグシャクになった和と湊は、自分の席に座ると、





─────ゴンッ‼






「「!?」」





同時に頭を机に強打した。



吃驚する私と鞠を余所に、二人はそのままフリーズ。





「……………あ゛~…可愛い…」



「……………………クソ………」





……?なんかボソボソ言ってる?






「馬鹿なのかしら?ある程度の耐性付けないと、寿命縮むわよ」



「体制?…態勢???」



「花は知らなくていい事よ」






鞠は和と湊を見ながら大きな溜息を吐いた。


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