天然お嬢と双子の番犬さん
「花…怪我は大丈夫?」
鞠が申し訳なさそうに言った。
「うん!数日安静にしてればよくなるって!」
ホッとした鞠が安堵した。
どうやらずっと気がかりだったみたい。
そうこうしているうちに、チャイムが鳴る。朝のHRの始まりだ。
「…花、何かある時は言って?僕がずっと付いてるから」
隣で私に耳打ちして、ニコッと笑う仕草をした和に────ドキッ。
な、なんで…こんな風になるんだろ!?
恋……恋って…こういう風になるものなの?
「はぁい!」
……えっと。
「ホームルーム始めますよ~ぅ!」
なんだか、先生の見た目が変わった気がするのは気のせいだろうか。
香水と厚化粧。
タイトな服装と、
何故か前よりもまつ毛がバサバサしてるような気がする。
唇もぷっくり、というより分厚くなってる…そんな気がした。
先生の視線は露骨に和と湊の方を向けていた。
特に────、
「やまとくぅん。連休は楽しかったぁ?」
和に向けて。