天然お嬢と双子の番犬さん
「────それで?伝えたのかしら?」
そう鞠が言って来たのは、昼食が終わった頃。
今日は私の足を気にして四人で一緒に教室で食べた。
久々にコンビニのお昼でちょっぴりウキウキ。
食後の焼きプリンを食べ終えた…そんな辺りだった。
ニコニコとしてる鞠と訳が分からない私。
「?、なにを?」
思わずそう聞くと、鞠はチラッと和と湊の方を見てから口を開く。
「そんなの決まってるじゃない!」
その後で私の耳元で小さく言う。
「好きなんでしょ?」
「?、好きだよ?」
流れるように出てきた言葉に、鞠は目を見開いた。
「…ちょ!?」
なんで吃驚してるんだろ?
鞠が慌てて二人の方を向く。
何故か和と湊は首を振っていた。
「………いつもの事だよ…」
なんだか、和に覇気がない気がする。
「ちょ…と!待ちなさい!花!少しいらっしゃい!?」
「え?あ、でも…」
「肩はいくらでも貸すわ!!」
あ、えっと。
それなら、はい。
ほぼ強制連行により、教室を出る。
和と湊は「ついていく」と言っていたけれど、鞠の断固拒否で撃沈。私と鞠はすぐそこの廊下に出て話をする事になった。