天然お嬢と双子の番犬さん
壁に寄り掛かり、窓から顔を出す。
風が気持ちいい────。
「それで??さっきのはどういう事かしら???」
…なんて言ってる暇はなかった。
笑顔だけど、圧が、勢いが凄い鞠に吃驚した。
さ、さっき?
「あの二人に対して好きって言ったじゃない!」
…へ?
「えええ!?そう言う意味だったの!?」
「他にどんな意味があるのよ!?」
大きな声が響き、廊下を行き来する生徒が一瞬ビクッと反応した。
「ちがっ、うの!プリンの事だと思って!」
「そんなわけないでしょう!?どうしてそんな話になるのよ!?」
そんな、まさか…二人の話だったとは。てっきりプリン食べ終わった後だったから間違えた。
「昨日!あたしの言った事ちゃんとしたのよね!?」
昨日……、
「…手を握るってやつ?」
「そうよ!!」
「や…ったよ?」
「それで!?どうだったのよ!?」
鞠の圧が凄すぎて固まる。
声のボリュームと、言葉の荒々しさと、本気の顔も…全部が凄すぎる。