天然お嬢と双子の番犬さん
ドキッとして、「えっと…」なんて、しどろもどろになってしまった。
鞠の勢いに負けて。
それもあるのかも。
だけどもう一つ…、
「ドキドキ…したよ」
思い出して、胸がドクンと音を立てていた。
口の中がモゴモゴしちゃう。
鞠はパーッと明るくなって「それで!?」と続けた。
「…私が、恋してるって、分かった…かな」
「きゃ~!」なんて鞠が笑顔で言う。ニヤニヤとした顔でまた「それで!?」と続く。
私は目をぱちくりさせた。
「それだけだよ?」
「…………………は?」
ながーい沈黙と笑ったままの鞠からの一言だった。
「それだけって何よ!?その後が大切なのよ!?」
「その後!!?」
初耳だけど!?
「じゃあ聞くわ。花はどう思ってる…いいえ!どう見えてるの?」
「えー…っと?」
見れる?そんなの、普通に二人のことはちゃんと見えるよ?鞠だって見れると思うけどなぁ。だって教室にいるんだし…。
視線は教室にいる和と湊の方へ向く。
何か話しているのが見えた。
この距離からでもキラキラしてた。近かったから、そういう訳じゃなかったみたい。
一瞬二人と目が合ったように見えて、ドキッとした。
「完全に好きになってるじゃない」
「んえ??」
何故か私の横顔をがん見していた鞠が言った。