天然お嬢と双子の番犬さん
鞠は深い溜息の後で頬杖をついた。
視線は私に向けたまま、口を開く。
「花はどうなりたいと思っているの?」
「どうって?」
「色々あるわよ?このままの関係で自分の中にしまっておきたい、とか。恋人同士になりたい…とか。他にも沢山の選択肢があるわ。
あたしからしたら…好きなら絶対言うべきだと思うわ。
もしそれが叶わない物だとしても。後悔するより先に行動の方が絶対いいもの」
「でも…二人同時に好きになるってあるの?」
好きな人が二人いる…それっていいのかな?
何となく、子供みたいだなって思った。あの子も好き。でもあの先生も好き。結婚したい。なんて言ってた時と似てる気がする。
「いいじゃない。好きな人が二人いても。法律でそんなものは無いわ。それに……あの二人ならそれでも良いなんて言いそうだもの」
「?、ごめん鞠もう一回言って?」
上手く聞き取れなかったな。
鞠は笑うと「とにかく!」と大きな声を出した。
「花はその先の選択肢を決めること!いいわね?
勿論、最後まであたしは花を応援するわ。
どんな答えでも、ね!」
そっか、その先があるんだ。
好きになった!
…で終わりじゃないんだね。
「…うん!頑張ってみる!」
「そうよ!その調子よ!」