天然お嬢と双子の番犬さん
────でも、考えるって。
「簡単な話じゃないような、」
「…なんの話だ」
ビクッと肩を揺らした。
そんな私に湊は首を傾げる。
放課後、
トイレに行くと言った和を待っていた時。
寝てると思ってた湊に急に話しかけられたから吃驚した。
「湊!?おはよう!?」
「……ああ」
わあああ!吃驚!
起きてるなら言ってよ!
明らかに寝起きじゃない顔の湊は、机に突っ伏したまま視線を私に向けた。
「……俺等の話か?」
腕に隠れた口元と、微かに逸れた視線。
私はまたも吃驚した。
だってその通りだったから。
ええぇ!?もしかして心を読まれてる…!?
慌てた素振りをする私に、気付いた湊は身体を起こした。
何故か見せたぎこちない笑みを向けられる。
「心配すんな。時期に……終わる」
そう言って、私の頭にポンッと手を置いた。
この感覚は”あの時”と一緒な気がする。
…留華が、いなくなる前と────。