天然お嬢と双子の番犬さん
詳しく話を聞く前に和が帰って来た。
そこからは朝と同じで帰路に着く。
見えないところに留められたリムジンに三人で乗って、あっという間に家に着いた。
車だとこんなに早いのだと感じながら、今度は湊に抱えられ家の中を歩いた。
首に手を回し、視線は自ずと湊の顔へ。
相変わらずキラキラしてて、胸がドキドキと小さな音が鳴っていた。
「和と湊は、かっこいいね」
「…へ?」
「あ…?」
あっ、声に出しちゃった。
心の中で吐き出す予定が狂ってしまった。
立ち止まった二人は真ん丸お目目になっていた。
「ご、ごめんね!二人を見てたら思わず…!でもかっこいいのは本音だよ!」
二人は顔を赤く染めていた。
湊は私から顔を逸らし、和は口元を手で抑えてる。
「えっ!?もしかして怒ったの!?ご、ごめんなさい!」
「……ちげぇ……」
「……違うよ……」
二人は息を整えるように深い呼吸をした。
「ありがとう、お嬢」
何かをした記憶もしようとした記憶も全くない。
だけど何故か二人は笑ってお礼を言ってくれた。